結局最後は「いいひと」戦略に行き着いた


マネー・ヘッタ・チャンのモノガタリ

むかしあってこれからもおこるお話


あるところにヘッテルとフエーテルという世の中をよくすることが何よりも生き甲斐な兄妹がいました。


ヘッテルとフエーテルは、衣食という人間の基本的欲求をよくすることで、世の中はとても過ごしやすくなるだろうと考えました


二人はそのために二つの会社を立ち上げました
ウニクロ:格安でそれなりにセンスが良くて、実用性もある服屋さん
アクドナルド:安くてお腹が一杯になるファーストフード


この二つの会社大いにヒットして、人々は今までよりも安くて良い服と美味しいものが食べられるようになり喜びました。


二人は会社を上場させて、大金持ちになり、今度はそのお金で、自分を慕ってくれる若い人たちに安くて良いものを提供する事の大事さを語り、独立しようとする人には惜しみなくノウハウを教えました


その結果ヘッテルとフエーテル塾からはいくつもの素敵な会社が産まれ、色んなものが安くて良いものになりました
ヘッテルとフエーテルはとても良いことをしたと満足でした


でも一歩下がって自分の国を見てみると、ヘッテルとフエーテル塾のせいで、沢山の同業他社は倒産して、失業率が悪化、景気も物価が下がったせいでデフレが続き、国のパイは広からず、元気のない国のままだと似気付きました


自分がよかれと思ってやってきたことが、人々を大きな目で見ると貧しくさせていたことに気付きましたが後の祭りでしたとさ


めでたくなしめでたくなし


こんにちは、4月になって次回作に向かってラストスパートをかけようと思ったら、人生で一番の肩こりに襲われ、キーボードを打つ手がヘッテル マネー・ヘッタ・チャンです。


さて、本日のモノガタリは先日天狼院書店で衝動買いした「超情報化社会におけるサバイバル術 「いいひと」戦略 増補改訂版」を参考に物語ってみました。


ネットが日常で使われるようになった結果、いつでもどこでも誰にでも評価される世の中になったのであれば、「いい人」であることを戦略として取ることが必要という身も蓋もない一冊なのですが、これがとても面白かったです。


もともとヘッテルとフエーテルシリーズでいい人とは全く思われないヘッタ・チャンとしては、色々と反省することばかりでした。(かといっていい人になれるかといえば…)


物語にあるように便利さは大量の失業を生んでしまい、手の打ちようがない、これが貨幣経済学を突き詰めた結果としてあります。


ただ、著者はこの暗黒の貨幣と商品を交換し合う貨幣経済社会から、これから評価と影響を交換し合う経済形態「評価経済社会」に移る過渡期に我々はいると説きます
その中で、どのようなスタンスで生きていけばいいのか?それを教えてくれる一冊でした。


またイヤな人になる努力という逆向きの視点で、「評価経済社会」ではしてはいけないことを解説したり、評価されたいと思っても決して相手から求められない限り、絶対にアドバイスしないといった記述もあり、様々な視点からどうあるべきかがわかります。


4月になり、入社したり、入学したり、部署が代わったりで人間関係を構築している人
知り合いは沢山いるけど、もっと仲良くできたらと思う人、これから起業しようと思っている人などにお薦めの一冊です、ぜひ読んでみてください



参考にしたページ
たいていの人は携帯電話を一つ以上持てないから、数多くある携帯電話の中から、一番便利そうで格好の良いものを選ぶようになります。



その結果、多くの失業を生みます。 iPhoneのようなすごく便利なものが現れた瞬間に、携帯電話業界で商売していた何万人という人たちが一斉に失業してしまいます。
これは、貨幣経済社会の暗黒面のようなものです。 100円ショップで買い物ができ、マクドナルドで100円のハンバーガーが食べられるようになったのと引き換えに、地元の商店街では閑古鳥が鳴いてしまう。


つまり、便利さと失業はトレードオフの関係なのです。だからといって、便利さを手放したり、もっと沢山のモノを買おうと考えたりするのは、あまり意味がありません。欲望はあってもお金が無いから、安くて便利なものが欲しいに決まっています。
便利さは大量の失業を生んでしまい、手の打ちようがない−とりあえず、この真実を認めることで少しは気がラクになります。


しかし ビジネス関係者はこの真実を否定します。ネット時代には新しいビジネスチャンスが必ずある、彼らは決まってそういうのです。


そう、たしかにビジネスチャンスはあります。チャンスはどんな時も常にある。でもそれは1000人が失業して2、3人が成功するようなビジネスチャンスです。多くの人にとっては、成功ではなく失業の時代でしかありません。ネットが進化すればするほど無職が当たり前になる。そんな世界がやってきます。
抜粋ここまで
(注:紹介のため、改行や行間を一部訂正しています)



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