誰からも「取引したい」と言われる会社の条件だけど、質問ある?

マネー・ヘッタ・チャンのモノガタリ

むかしあってこれからもおこるお話


あるところにフエーテルという物書きがいました。
エーテルの書く本はそこそこ売れていましたが生活出来るほど売れるわけでもなく、日々の生活は常にカツカツでした。


ある日のこと、ヘッテルがフェイスブックを見ていると、出版社の忘年会で名刺交換したコンサルタントの著者が元気に投稿しているのが目に留まりました。


「今日は本読んでくれた経営者の方と商談で成約した。大きな案件になりそうです☆」
「今日はまた本を読んだ方からのお声がけで新規のお客さんを獲得できました☆」
「本読んでくださったファンの方が合コンを開いてくれました♪」


などと投稿は景気のいいことばかり、フエーテルと違い、本が売れて、忙しいようです。
「この人はなぜ仕事の依頼が殺到するのだろう。なにかノウハウを持っているのだろうか」とフエーテルは気になって仕方がありません。


そんなコンサルタントフェイスブックで「なぜ私が売れるのか、ノウハウを教えます!」と自分の手法を公開するセミナーをすると発表しました。
成功してる彼の手法に興味を持ったフエーテルは矢も楯もたまらず、秒速で申込んでしまいました。


エーテルは、熱心にコンサルタントの高額セミナーに出たり、商材を買ったりしましたが、セミナーの内容をどんなに実践しても、なぜかコンサル担当のように上手く行くこともなく、時間とお金を使った甲斐もなくいつまでもうだつの上がらない著者のままでしたとさ。


めでたくなしめでたくなし



こんにちは、日経平均が上がっても下がっても利益がヘッテル! マネー・ヘッタ・チャンです。
今年の相場難しすぎなのはあちきだけでしょうか? 去年の蓄えで食いつないでます(爆



さて、本日のモノガタリは以前ブログ紹介した「フリーランス、個人事業、副業サラリーマンのための 「個人か? 会社か?」から申告・節税まで、「ソン・トク」の本音ぶっちゃけます。」の岩松正記氏の新刊「誰からも「取引したい」と言われる会社の条件」を参考に物語ってみました。


今回の本は税理士としてではなく、岩松氏が證券会社での営業時代や税理士事務所から独立してから経営者として、沢山の経営者に会う中で、気付いた「取引したい会社」とはなにかを著した一冊です。


率直な感想は、「経営者怖い」「岩松氏怖い」の二点です(爆)
経営者が、どんな企業の経営者や営業マンとは付き合い、付き合わないかを赤裸々過ぎるほど赤裸々に書いているのですが、要は言い方は悪いですが経営者は常に「値踏み」をしているという事が書いてあります。


モノガタリでは、フエーテルが後述するヒーロー戦略に引っかかっているわけですが、企業経営という真剣勝負では、一つのミスがきっかけで会社が傾くこともあり、一時も油断出来ません。
氏が本で書く、


 ・一度でも騙されたことのある企業とは付き合わない。
 ・社長は外面が良いのは当たり前
 ・公表していない数字を知る方法


など、ありきたりなビジネス書にある「読んでいて気持ちよくなる内容」とは一線を画した清濁併せ飲む考えが随所にあって、読んでいると率直さが心地よく、褌を締め直したくなる緊張感があります。
というわけで、フエーテルコンサルタントセミナーに参加した時点で付き合いたくない著者になっているわけです。


他にも


 ・目立っている所が本当に力あるか見極めるのは難しい。露出が多いから良い取引先になるとは限らない
 ・「折り返し時間で相手の忠誠度がわかる」
 ・良い取引は、良い契約から始まる


といった気づきがたくさんありました。それでも、決してマキャベリズムに陥るわけではなく、著書の最後に「人を好きになる」で締めくくる当たりに硬軟合せた老獪ぶりが感じられる骨太の一冊で、銀河英雄伝説でいうアレクサンドル・ビュコック提督を想起させる一冊でした。


ありきたりなきれい事ではなく、世の中の酸いも甘いを知るのオススメな一冊です。ぜひ読んでみてください



参考にしたページ
110 「ヒーロー戦略」に引っかかるな
 今はSNSやブログで誰でも自由に自己表現ができる時代です。その手のサイトをちょっと覗いてみれば、やれどこへ行ったの何を食べたのと、自己顕示の世界が繰り広げられていると言っても過言ではありません。


 そんななか、実は仕事などやっていないのにやっているふりをする人たちがいます。「今日は○○の商談で成約した」「今日はまた新規のお客さんを獲得できた」などと景気のいいことばかりSNSやブログに書いて、いかにも自分は売れっ子で忙しいように振る舞うのが「ヒーロー戦略」です。


 ところが面白いもので、ネット上でそういう表現を続けると「この人はなぜ仕事の依頼が殺到するのだろう。なにかノウハウを持っているのだろうか」と妙に気になるようになるんですね。そこでこの人が「なぜ私が売れるのか、ノウハウを教えます!」なんてやると、多くに人間がイチコロになってしまい、高額セミナーに出たり商材を買ったりしてしまう。また面白いもので、「それだけ売れている人なら私もお願いしよう」と本当の取引が申し込まれてきたりする。それが「ヒーロー戦略」。つまり自らをヒーローに仕立て上げ、そう振る舞うことで逆に顧客を獲得するという方法なんですね。


 なんてそんなにコロッと騙されるのか不思議なんですが、逆に言えば、それだけ顧客獲得に苦労している人間が多いということなんでしょう。でも、冷静に考えればわかるはずなのですが、ここに取引先への貢献という考えは一切ありません。あくまでも自分本位、自分の利益のことしか頭にないことがわかるでしょうか。


 顧客を獲得したいがためにノウハウに走るのは仕方のないことです。しかし、メッキは簡単にはがれるもので、軽く取った仕事は長続きしないものです。どうせなるなら真のヒーローにならなければいけない。それはすなわち、取引先にいかなるメリットを提供できるか、にかかっています。それ抜きで安易な道には走らないことですね。
抜粋ここまで
(注:紹介のため、改行や行間を一部訂正しています)