知らないと損するプロフェッショナルサラリーマンの歴史


マネー・ヘッタ・チャンのモノガタリ


むかしあってこれからもおこるお話


あるところにフエーテルというサラリーマンがおりました


ある日のこと、フエーテルは今の会社は、サービス残業ばかりで給料も上がらないし、同僚も向上心もかけらもないということで転職をしようと思いました


転職雑誌を読んだり、転職サイトに登録して色々と調べてみると、資格があると転職しやすいし、給料も高い傾向にあることがわかりました。


そこでフエーテルは半年間転職活動を我慢して、まずは資格を取るために勉強を始めました。


ところがタイミングとは、不思議なものでフエーテルが勉強を初めてしばらくすると、登録した転職サイトから、転職先の提案がきました。
内容は、フエーテルが希望していた通りのもので、今の会社より良さそうです


迷ったフエーテルでしたが、何もしないでこんな案件があるなら、資格を取ったらもっと良い案件があるんじゃないかと結局断りました


それから半年後、無事資格試験に受かったフエーテルは、準備万端と転職活動を積極的に始めました。
ところが、最初に紹介されたようなフエーテルが満足できる転職先は全然ありません。


どうやら、自分が今までしていた仕事がたまたま半年前非常に必要とされたいようでした。
でも、その会社はフエーテルの代わりをすでに雇っていて、もう入ることが出来ません


せっかく資格を取ったのに、取らない時の方が待遇が良かったなんてと嘆いたフエーテルでしたが後の祭りでしたとさ


めでたくなしめでたくなし



こんにちは、コタツに入って気がつくと時間がヘッテル マネー・ヘッタ・チャンです。
タツの温もりから、決然と別れを切り出せるようになりたい今日この頃です


さて、本日のモノガタリは「プロフェッショナルサラリーマン ― 「リストラ予備軍」から「最年少役員」に這い上がった男の仕事術」を参考に物語ってみました。


著者の俣野氏は一部上場企業勤務の30代なのに、リストラされそうになった元ダメリーマン。
そこから一念発起して、社内のベンチャー起業に応募し、頭角を現し、33歳で最年少役員になったというまさにサラリーマンの星という御方


氏が何故成功したかについて、薄くなる傾向の最近のビジネス書では珍しい300ページの大ボリュームで具体的なエピソードを元に説いていくわかりやすい一冊です


私的には今回のモノガタリのベースとなった「プロは転職情報誌の募集スペックに自分を合わせない」がツボでしたが(下記参考参照)


他にも数年に一回位のペースで来る起業ブームについて、
「起業で成功するのは、サラリーマンとしても優秀な人間で辞めないでほしいと言われる人だ」とか
「起業ブームは仕掛け人が、裏で儲けてる人間がいる」と喝破している点が爽快でした。


就職したての新人くんから、30代、40代まで幅広いサラリーマンには、起業するしないに関わらず、ます読んでほしい一冊でした。



参考にしたページ
235頁 プロは転職情報語の募集スペックに自分を合わせない

 僕は二十代のころ、自己投資をするなら、転職情報誌や新聞の求人広告によく載っている資格をとるための勉強をするのがいいと思っていました。
 企業の採用広告をよく見ていくと、「○歳まで」 「OOの経験者優遇」 「○○資格を持っている人募集」というようなことが害いてあります。


 これを見て、「なるほど世間ではこういう人材が求められているんだな。ということは、OO資格をとるための勉強をするといいかもしれない」と思っていたのです。これも偏差値教育の弊害かもしれませんが、ついつい誰かが用意した画一的なモノサシに自分をあてはめて考えてしまう癖がついていたのです。
 しかし今は、ここに害いてある条件に自分を合わせても、あまり意昧はないということがわかるようになりました。


 なぜなら求人情報を雑誌にして広く配っているということは、さまざまな人に当てはまるから配っているのです。それを見た人は、「そうか、今はこういう資格が注目なのか。よし、学校に通おう」と思う。だから学校の側もそういう雑誌が求めているプログラムを用意します。つまり誰かが儲けるために需要をつくり出しているのです。


 それからよく世間では「三五歳が転職の限界だ」などといいますが、それは資格を商売にする教育機関や、人材を採用する人事担当にとって都合がいいからです。三五歳までに転職させたほうがマーケットが大きいから。ターゲットを絹分化すればするほど、分母が小さくなるので、マッチングビジネスとしての商売の効率が悪くなってしまうのです。


 「三五歳転職限界説」のメリットのもう一つは、「記号化できる」ということです。だいたい三五歳をすぎると、多種多様な人材のパターンが出てきます。ところが三五歳までだったら比較的くくりやすいのです。だから分母が大きいものに的をしばれる。共通のモノサシがっくりやすいというメリットがあります。


 そもそも兵隊ではなく軍曹の募集のような、ハイスペックな転職は、狙った人材の一本釣りですから、情報誌になど載りません。情報誌に載らない分、双方のマッチングには苦労がともないます。しかし人材紹介会社の報酬も高額になりますし、採用される人材が企業に与えるインパクトや貢献度もダイナミックです。


 採用企業にとっても管理職を外部から連れてこなければならないということは、生え抜きが育っていない証拠ですから、企業にとっての恥になります。だから多くの人の目に触れる転職情報誌には載せたくないという事情もあります,


 つまり三五歳転職限界説を真に受けたり、情報誌の見出しになるようなところを見て、この条件に当てはまるように頑張るということは、自分から分母の大きい競争の激しい市場に突き進んでいるということ。しかも大衆化に向かっているということです。


 ところが企業に属しているということ自体、すでにあなたでもいいし、ほかの人でもいいという環境にいるのと同じことです。そのなかでも個を出していこうというのが本書の主張ですが、それなのに転職情報誌のスペックに自分を合わせるということは、また自分を平均化させる方向に逆戻りしているということになります。


 したがって自己投資の方向としては、転職情報語でよく目にするスペックを身につけようとするより、今いる会社でプロフェッショナルサラリーマンを目指すべきです。プロフェッショナルサラリーマンとなって、みんなから必要とされる人になれば、いつでも転職できます。

抜粋ここまで
(注:紹介のため、改行や行間を一部訂正しています)




ついでに「マッチポンプ売りの少女」もよろしうお願いします!!


問題のデビュー作「ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話」はこちら