本当に洒落にならない世界経済を破綻させる23の嘘


マネー・ヘッタ・チャンのモノガタリ


むかしあってこれからもおこるお話


あるところにフエーテルというベンチャービジネスの経営者がいました。
エーテルの会社はそこそこ成功していましたが、最近は競合他社がたくさん入り込んできて、だんだん経営が苦しくなってきました


そこでフエーテルは他の国で同じサービスを提供しようと考えました。
どうせこの国は大してもたないだろうし、まだ自分のビジネスをやっていない他の国なら、いくらでも儲けられる、そう考えたのです


自分の会社を売って、フエーテルはアジアのとある経済国に降り立ちました
一度やって成功したやり方を、もう一回やればいい、簡単だと思っていたフエーテルの思いは木っ端微塵にされました


会社を立ち上げるのも、人を雇うのも、許認可を国からとるのも、お金を集めるのも、すべてが全く違います。


エーテルを何よりも悩ませたのは、この国では論理が通用しないと言うことです
前の国でもそう言う部分がなかったとはいいませんが、この国は桁違いです
っていうか、賄賂がないと何も進まないのです


そんなこんなしているうちに、フエーテルはビジネスモデルそのものを盗まれてしまい、にっちもさっちもいかなくなってしまいましたとさ


めでたくなしめでたくなし


気付いたら月末になっていた、一月分の時間ヘッテル マネー・ヘッタ・チャンです。
本気でキングクリムゾンの攻撃かと思いました。(ジョジョネタスマソ)


さて、本日のモノガタリは、マジでオススメな一冊世界経済を破綻させる23の嘘を参考に物語ってみました


「株主価値最大化」
労働市場の自由化」
「関税の自由化」
「自由競争こそが最適」


といった経済に対する麗しい言葉達がどれだけで嘘なのか
いや、むしろ、いかに世界を壊しているかをこれでもかと歴史と数字から教えてくれる名著です


個人的には社会起業家が大好き「マイクロファイナンス」が、最近では貧困を広げる要因になっていることも書いてあり、痛快の一言でした


今年最初に読んだ本ですが、ヤバい経済学 と同じくらい面白かったので、間違いなく本年のベスト3に入ると思います。


経済に興味もある方もない方も本当にお薦めの一冊です。


参考にした一節
56頁 富める国の人々が貧しい国の同業者よりもずっと生産性が高い部門においても、その生産性の高さは、かなりの程度システムのおかげであり、個人的な力によるものではない。


富裕国の一部の人々が貧しい国の同業者よりも何百倍も生産性が高いのは、彼らがより賢いからでも、よりよい教育を受けているからでもない。そうしたことがおもな理由であるとも言えない。彼らがそれはどの生産性を発揮できるのは、高度な技術、よく組織された会社、優れた制度、しっかりしたインフラのおかげなのである。こうしたものはみな、過去何世代にもわたる集団的活動によってつくりあげられたものなのだ(第15、17の嘘参照)。


 著名な投資家ウオーレン・バフェットは、一九九五年に受けたテレビ・インタビューのなかで、この点を次のように巧みに説明している,


 「わたしが稼いだお金のかなりの部分は、社会が稼がせてくれたのだと、わだしは思っている。もしわたしがバングラデシュやペルーのような国に生まれ、そこから出られなかったら、こうした投資の才は無残に押しつぶされ、花開くことはなかったと思う。きっと三〇年たっても、わたしは生活苦にあえいでいたことだろう。わたしがいま仕事の場としている市場システムが、わたしがしていることに対して、たまたまとても良い−というか、まさに異常なほど良すぎる報酬を与えてくれる、ということなんだ」


 というわけで、話は出発点にもどる。個人がもらう賃金は、その人の価値を反映したものとは言いがたい。貧しい国でも富める国でも、ほとんどの人の賃金は移民規制によって決まってしまう。生産性が極端に高くて、簡単には移民に仕事を奪われない富裕国の一部の人々も、実は彼らの活動の場である社会・経済システムのおかげで、そこまで生産性を高めることができるのだ。彼らの生産性がきわめて高いのは、個人的な優秀さや勤勉さのためだけではない。


 市場に任せさえすれば、誰もがその人の価値に見合った正しく公平な賃金をもらえる、という一般に広く受け入れられている説は、神話でしかない。まずは、この神話を脱却し、「市場は政治的なものであり、個人的な生産性は実は社会システムに支えられたものである」ということを理解しなければならない。そうして初めて、わたしたちはより公正な社会をつくりあげることができるのだ。それは、報酬を決めるさいに、個人的な才能や努力だけでなく、何世代にもわたって積み上げられてきた集団的遺産をも、きちんと考慮する社会である。
抜粋ここまで
(注:紹介のため、改行や行間を一部訂正しています)