そんなことじゃ彼女もできないわよ → サスペンション会話術
マネー・ヘッタ・チャンのモノガタリ
むかしあってこれからもおこるお話。
あるところに、フエーテルとアホスギン・チャンいう営業の仕事をしている若者がいました。
フエーテルは人一倍勉強熱心で、業界の知識がたっぷりつまった頭脳を持っていましたが、営業成績はさっぱりでした
一方アホンスギン・チャンは対して業界の事を知っているわけではないのに、その営業成績は抜群でした。
不思議に思ったフエーテルはアホンスギン・チャンの営業に一度同行させてもらいました。
すると、いつもしゃべりたおす、説明したおすフエーテルの営業方法と違い、アホスギン・チャンはほとんど自分から話すことはせず、質問に答えるだけで契約を成立させていました
「そうか、自分から話さず質問したことに回答すれば良いんだ!」
そう思ったフエーテルは次の営業から質問に回答する営業に代えました
でも、やっぱり営業成績は伸びません。というのは、フエーテルは質問に対して、やっぱりしゃべりたおす、説明したおしていたからです。
本当に大事なことは、相手の求めるものに過不足なく答えることだったのですが、フエーテルはいつまでもそれに気づきませんでしたとさ
めでたくなしめでたくなし
こんにちは、花見の季節だというの風邪を引いてしまった免疫がヘッテル マネー・ヘッタ・チャンです。
今日は花見には行きたいが、うつしてしまっては申し訳ないし…と葛藤してます。
さて、そんな体調不良の中のモノガタリは前回も紹介した「人生で大切なことはすべてプラスドライバーが教えてくれた」を基にモノガタリを紡いでみました
この本、本当に売れているらしく書店では入っては売り切れているとのことで、書店で全然見かけません。友人・知人に勧めたところ、みんな「感動した」とか「昔の自分がいた」とかいうコメントをもらってます
今日取り上げた部分は、筆者が若かりし頃のコミュニケーション下手に気づかされる部分なのですが、こういうことを面と向かっていってくれる人、面と向かって言われたことを受けとめられる人が増えてほしいものです
Amazonではまだ在庫があるみたいなので興味のある方はこちらから!
紹介したい言葉
112 その日は天気が悪く、空を厚みのある雲が覆っていた。小雨がしつこく降っている。
近藤さんの運転で、少し荒れた路面の道路を走っていると、社用事が上下に大きく揺れ出した。
「なんだかもう、揺れがひどいわね」
近藤さんが嘆いた。
「ああ、たぶんサスペンションがヘタってるんですよ。路面からの衝撃を阪収しきれていないからスプリングのせいで揺れが止まらないんでしょうね」
ボクは思わず、本で読んだことのある知識をひけらかした。クルマのことを誰かに話すことがうれしかったのだ。
「あら、そうなの?」
「ええ、そもそもクルマの足まわりってのはサスペンションとスプリングで構成されているんですよ。路面からの衝撃をスプリングで受けるんですけど、そのスプリングが戻ろうとする力をサスペンションが吸収しているんです。だからサスペンションがヘタっちゃうと、スプリングの力が強くなっちゃって、いつまでも揺れが止まらないんですよね」
ボクは得意げに話していたが、近藤さんは下唇を突き出して笞える。
「なんだか良くわかんないわね」
「え?」
「原くんさあ、どうでもいいけどアナタ、人の話をあまり聞かないわよね。そんなことじゃ彼女もできないわよ」
今まで優しい衷情だった近藤さんが、急に眉間にしわを寄せて早口になる。
「いい? 会話っていうのは相手が言ったことに対して、答えてはじめて成立するのよ。あなたは自分の言いたいことだけを言うことが多いわよね。それから、話をするときは相手が理解しているかどうか確かめながら進めなさいよ。顔の表情とか、相づちとか、そういう相手の反応を確かめながら進めていくものなのよ」
「あ…、はい、すいません」
ボクは、近藤さんのあまりの勢いに圧倒されてしまった。
「あら、ごめんなさいね。つい昔のクセが出ちゃって」
それから近藤さんは、まだOLだったころに新人研修の講師として働いていたことを話してくれた。かなり厳しい講師だったらしい。
抜粋ここまで
(注:紹介のため、改行や行間を一部訂正しています)
「ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話」をまだ読んでいない方はこちらからどうぞ