サブプライムは今昔物語が危険性を指摘していた → イソップ寓話の経済倫理学

こんにちは、マネー・ヘッタ・チャンです。
本日のモノガタリは、「してはいけないことがたしかにある」というモノガタリです


最近は、どういったことはしても大丈夫で、逆に何をしたら取り返しが付かなくなるかについて、しっかり教えられていないとヘッタ・チャンは感じています。


FXに50倍レバレッジで勝負するとか、株式取引でボラティリティの高い銘柄に全力信用買いで2階建てなど、玄人でも躊躇するようなやり方をリスクも考えずに手を出して、大損を出したりするのは、受け継がれるべき知恵が伝わっていないからなのではないかと 


今回紹介する今昔物語の「魚を売る女」では、昔からの知恵がどんなに素晴らしいか
そしてそれが今まったく活かされていないかということがよくわかるお話です


全体の形が分からないものは、どんなに安値でも買ってならぬ、という教訓が、証券化という響きの良い言葉で誤魔化されてしまったということがよく分かります。


オハマの賢人と称されるウォーレン・バフェットは投資の方針の中で
「自分が理解できないものは買わない」と伸べていますが、彼が歴史から学んでいる証左となるでしょう


サブプライム証券化が、つまるところ羊頭狗肉だったという事実と、今後もいくらでも、手を変え、品を変え、そういったことを考えるろくでもない輩が出てくることを肝に銘じておかなくてはいけない、そうヘッタ・チャンは思うのです



魚を売る女の話

昔、三条の院がまだ春宮であった頃、帯刀の陣にいつも魚を売りにくる年寄りの女があった。

帯刀どもが買わせてみるとたいそう味がよかった。干した魚の切り身のようであった。

ある時帯刀どもが北野に狩りに出かけたおり、その魚売りの女を見かけた。

こんな野原の真ん中で何をしているのかと怪しんで近づくと、あわてて逃げようとする。つかまえて、持っているざるの中を調べてみると、ヘビを四寸ばかりに刻んだものがいっぱい入っていた。    (今昔物語)


◇切り身の魚と称して売っていても、全体の形が分からないものは、どんなに安値でも買って食ってはならぬ、というのが『今昔物語』の教訓である。

◇「羊頭狗肉」という有名な言葉があるが、これは肉屋が羊の頭を看板に掲げておいて、犬の肉を売ることであるから、明らかに「インチキ表示」の詐欺的商法である。
しかし犬肉の方が味がよかったらどうなるのか。これは厄介な問題になるが、実際はそういうことはなく、犬の肉はまずくて安いということを前提としてこの「牛頭狗肉」の活は成り立っている,
(注:紹介のため、改行や行間を一部訂正しています)


この物語を現代に置き換えてみても、驚くほど一致します


マネー・ヘッタ・チャンのモノガタリ

昔、世界がまだいけいけどんどんであった頃、世界の投資家にいつもファンドを売りにくる年寄りの投資銀行があった。

投資家どもが政府系投資ファンドに買わせてみるとたいそう利回りがよかった。大型商業用ビルの利回りのようであった。

ある政府系投資ファンドと投資家どもが、より良い利回りのファンドを見つけるための狩りに出かけたおり、貧乏人街で、その年寄りの投資銀行を見かけた。

こんな貧乏人街の真ん中で何をしているのかと怪しんで近づくと、あわてて逃げようとする。つかまえて、持っているファンドの中を調べてみると、ぼろアパートを四寸ばかりに刻んだものがいっぱい入っていた。   


教訓 全体の形が分からないものは、どんなに安値でも買ってはならぬは、投資にも通じる。
情報の手に入れづらさから考えると、個人投資家はより細かく情報を精査しなくてはなんない