【連載アーカイブ】負けない投資家の思考法 日経マネー 2014年 6月号 期間と目標額を決めた負けない投資法はあるのか


こんにちは、ヘッタチャンです、

過去連載(日経マネー許諾済)「負けない投資家の思考法」の10回目アーカイブをアップです。
当時の日経マネーでの特集が(2020年までに)5000万という内容だったので、それに対して私なりの考えを書いてみました。

この4-5年間の相場で一億までは当たり前みたいなことになってますが、当時は5000万がひとつ到達点だったのだなと思うと、感慨深いものがあります。
暴落来る来る詐欺が続いていますが、そのうち来るとして、どのような考え方がいいのか、ひとつの参考になれば幸いです。

当時の記事は以下の通りです。

今回のテーマは「期間と目標額を決めた負けない投資法はあるのか」です。

結論から書くと、これはとても難しいことです。投資期間が長期になればなればなるほど、不確定な要素が乗数的に増えるからです。

リーマンショックが5年前の2009年、東日本大震災が3年前の2011年、そして今年はウクライナでの地政学リスクと中国のシャドーバンクによるチャイナリスクに焦点が当たっていて、この記事を書いている時点で、日経平均は三日で1000円近く下げ、まだ下げる気配を見せています。(14200円台。)

上記のような予測がとても難しいイベントが突発的に発生した時に資産を全て投資に回していたらどうなっていたでしょうか?

今号のテーマである「(2020年までに)5000万」を投資で達成した瞬間に、リーマンクラス級のイベントが発生してしまえば、築き上げた資産は、ものの半年で半分になってしまいます。これでは、リタイヤできると思っていたのに、また何十年も働く必要が出てきてしまいます。

かといって、投資をしないで、給料を貯蓄するだけでは、なかなか数千万ものお金を貯めることは難しいのもまた事実です。
では、どうすればいいのでしょうか?

まずは、いつまでにいくらを貯めて、引退するといった将来のある時期を自分で決めるのを止めることです。

具体的に言うならば、投資が飛び抜けて上手くいった場合から、投資がもうどうしようもないほど上手く行かなかった場合まで、何パターンかの投資設計を立てることでしょう。
リスクマネジメントの言葉を使うならば、「悲観的に準備し、楽観的に対処せよ。」というものです

この記事を読まれている方々は、20−50代の男性が多いと聞いています。目標とする金額は様々だと思いますが、目標金額を予定よりも早く達成したらどうするか、逆に達成できなかったらどうするかを考えておけば良いのです。

昨年のアベノミクスで目標金額を思ったよりずっと早く達成してしまった投資家は、時間とお金を持てあまし、結局もっと増やそうと考えて、今年の下げ相場で折角達成した目標金額を割ってしまったという人もいます。

逆にアベノミクスで株が急騰する前のボックス相場と下げ相場では、思ったほど資産が増えないどころか、じわじわと下がる株価を見て、まだまだ働かなくてはと思っていた個人投資家が沢山いました。

去年思ったより資産が増えてしまい、税金や今後の対処について頭を悩ませている投資家などもいます。

世の中の経済状況にリンクする投資法は、一年後のことですらわかりませんし、私のようにテクニカルや市場の歪みから利益を得ている投資法は、歪みがなくなったり、テクニカルが通用しなくなるタイミングだと途端に弱くなります。

どんな投資法にも一長一短があり、長期では、その一長一短が大きく反映されます。確率的に勝率が高い投資を愚直に続けつつ、市場の「あや」に巻き込まれて勝てない時もあると認識し、利益も期間を余裕を持って対処することが、本当の意味での負けない投資家につながることになるのです。
なお、「期間と目標額を決めた負けない投資法」として、唯一債券投資があるじゃないかと思われる方がおられるかもしれませんが、債券投資は企業破綻リスクとインフレリスクについては全く対応できません。

社債金利3〜5%といったものがありますが、リーマンが潰れ、東電が実質債務超過であることを思えば、これもリスクはゼロではありません。また前号に書いたように強いインフレが来た場合、長期の社債もまた実質的な価値は減ってしまうということを補足しておきます。

抜粋ここまで

というわけで、常にフルインベストもひとつのやり方だと思うのですが、私は上記の理由故資産の半分くらいは今の相場だとキャッシュになっています。