【連載アーカイブ】負けない投資家の思考法 日経マネー 2013年 9月号 負けない投資の優先順位

こんにちは、ヘッタチャンです、

過去連載(日経マネー許諾済)「負けない投資家の思考法」の7回目アーカイブをアップです。
ツイッターやブログ、マネー雑誌を見ると、凄腕の投資家たちのきら星な運用成績がいやでも目に入ります。

そういった投資家たちにあこがれる気持ち、よくわかりますがここで一息ついて、以下の連載に目を通してみてください。
かくいう私も無職になって少し焦っている部分があったのだなぁと自分の記事を読んで気づかされた次第です。

当時の記事は以下の通りです。

前回の原稿を書いて、3ヵ月の間に日経平均は私の想定のはるか上の16,000円を付けた途端に急落、5月には13,000円を一旦割れて、この原稿を書いている時点では14,000円を境に行ったり来たりしています。

*寄稿当時のチャートはこんなでした。

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画像出典 経済&マネー セルインメイ(2013年)前後の日経平均株価チャート

この近年なかった異次元の急騰と急落で、相場に入れなかった方、入ってみたものの減らしてしまった方などいらっしゃるでしょう。
最近の相場上昇で投資を始めた方、戻ってきた方も読んでいると思いますので、いま一度「負けない投資家」のゴールについて再確認しましょう。

負けない投資家の第一のゴールは「長期的な生き残り」。
そして、第二のゴールとして、あるのが「自己資金の着実な増大」。
そして第三のゴールとしてあるのが「高い利益を上げること」です。
大半の投資家は、この第三のゴールを第一におき、第一、第二のゴールを意識していません。

去年の11月から今年の5月までの相場は、玄人があまり儲からず、素人ほど儲かる相場でした。

誤解を恐れずに言えば信用取引を全力で行える「馬鹿になった人間が勝つ相場」でした。

ただご存じの通りそういったシンプルな考えの人の多くは、5月〜6月にかけての強烈な下げ相場で退場するなり、復帰に時間のかかる大やけどをしてしまいました。
100万円を1億円にしたのに気付いたら、マイナス、つまり借金になってしまったという話も聞きます。

これは、高い利益を上げることを第一目標にして、「長期的な生き残り」と「自己資金を“着実”に殖やすこと」を疎かにした結果です。
まわりが儲けている話を聞くと、トレードに飛びつきたくなる気持ちは私もよくわかります。正直今年の運用成績は市場と良い勝負か少し負けで、何十倍になった方々から見れば、へたれも良い所でしょう。
ですが、今後、何カ月、何年にもわたり、マーケットは存在し続けます。今回、準備不足でリターンを上げられなくても、またチャンスが訪れるのですから、今は投資の研究に十分な時間を費せばいいだけなのです。

今の株価は、将来の日本の復活を期待して買われています。ですので、今後起こりうるのは、

?期待以上の復活 → これ以上の株価上げ
?期待通りの復活 → 今の株価
?予想以下、復活できず → 株価下落

の3つのパターンのどれかになるのですが、単純な確率論で言うと、今の株価から上に行く可能性は1/3しかありません。つまり2/3は増えません。

中長期の運用を考えるなら、今は出動するタイミングではない可能性もあるのではないか?というのが私の考えです。
自戒も込めて、上げ相場を取り損なったすべての方に伝えたいのは「準備を怠るな」ということです。

下げ相場、もみ合い相場の中で、いつか必ず来る上げ相場に備えて準備しておくことの重要性については、みなさんも身にしみて実感していることでしょう。
中長期投資では、絶好の機会が現れるのを待つことが重要になります。そして、同じくらい大事なことが「準備しておくことで衝動的に投資を避けられること」があります。
衝動的に投資してしまうと今年の5〜6月のような相場では、逃げることすら難しいでしょう。

サッカーの監督が相手によって、戦略を準備するように、負けない投資家になるためには、戦略プランを事前に立てることが必要なのです。
今年まだ儲けていない方、損を出してしまった方は、「今がチャンス!10年に一度の大型相場に乗り遅れるな!!」という言葉に惑わされることなく、今年取り返すことにこだわらず、チャンスが来るまで、「長期的な生き残り」「自己資金の着実な増大」を胸に秘めて、虎視眈々と準備をして待つという選択肢もあるということを忘れないでください。

抜粋ここまで

と書いたものの、以前書いたようにここから日経平均は年末にかけてさらに上昇する展開となり、機会損失で破産なのでした泣
とはいえ、当時に戻っても私は同じ投資法をしたと思います。将来の不確定な上げ下げより受給がある程度読めるイベント投資や優位性のあるシステムトレード的投資が、私の性には合っていました。
おかげで引退までここからだいぶかかってしまいましたが(苦笑)

この文章を紹介し直すことで、今私の基本的考えから少しずれていることがわかりとても有意義になってしまいました、ありがとうございます。