【連載アーカイブ】負けない投資家の思考法 日経マネー 2012年 12月号 負けない投資家の時間軸は?

こんにちは、ヘッタチャンです、

過去連載(日経マネー許諾済)「負けない投資家の思考法」の4回目アーカイブです。

負けない投資家の時間軸というタイトルで、当時持て囃されていた某ファンドについて、疑義を申し立てた記事を書こうとしたのですが、そこは没にされた思い出のある記事です。

この記事を書くに当たって、当時から今までの成績を確認したところ、某ファンドは日経平均とほぼ同じパフォーマンスでした。
チャート画像

結果については、あれこれ言いませんが、これなら日経平均買って気絶してても変わらなかったとかだけ。

個人でしっかり学んでいた方はこれ以上の数字を出された方も多いことでしょう。
自分で運用するか、アクティブファンドに預けるか、はたまた別の手を取るか、投資法は無限ですね。

さて前置きが長くなってしまいましたが、当時の連載は以下の通りです

今回は負けない投資家の時間軸について書いてみます。
投資を何百回も行えば、百戦百勝も、全戦全敗も確率的にありえません。
(インサイダーや詐欺を除く)

しかし勝率が高いというのも、実はあまり意味がありません。9割で勝っても残り1割で全資産を失う負け方をすることは、ままあることです。

私が思う「負けない投資家」は長期間、資産を増やし続ける投資家です。

では、その「長期間」をどうとらえるか、少し考えてみましょう。投資に回した資産は日々予想以上に大きく増減します。一夜で倍になることもあれば、紙くずになることもあります。

理想は毎日資産が増え続けるというもの、これが文句なくベストです。次に日々増減はするけれど、月ベースで増え続ける。これもなかなかです。次に毎年増え続けるケース。一年間で冷や冷やすることはあったけれどトータルでは年の初めより資産が増えていた。これも安心です。

で、次あたりから、ちょっと怪しくなります、数年単位でマイナスもあったけれど、まあ最終的には増えていたという形。この辺になると、タイミング次第ではマイナスになってることがあります。投資手法にもよりますが定年近くで連続してマイナスの年が続くと資産が大きく減ったところで生活費を引き出す必要に迫られ、これならずっと貯金してた方が良かったとなっては目も当てられません。

資産が大きく減ることは、人生の可能性が大きく制限されることです。何年もマイナスが続く投資法でいつか勝つかもという発想はナンセンスです。
最近まで、そういったリスクを避けつつ、長期運用の果実だけを得る方法として積立投資という名のナンピン投資法がありました

これは、一定の決まった期間ごとに一定の金額を買い増していくもので、下げ相場が続いても、どこかで上げ相場が来れば、買い下がった分、平均単価が下がるため、利益になりやすく、長い時間軸では合理的なものでした。ただ、上げ相場がいつかきてくれればという条件の中では、ですが。

日本を除く、世界経済はリーマンショックまで一時的な下げはあっても、ずっと右肩上がりだったので、毎月積立投資は良い成績でした。
ところがリーマンショック以降、日本だけでなく、欧州一部諸国や、中国などでは数年立ってもほとんど上げ相場が来ないという状況に陥りました。一時は6000を超えていた上海総合指数は、ずっと下げ続け、ついには2000を割る有様です。中国株を毎月積立てで買っている人たちは、ナンピンで損を拡大し続けています。

常識だった右方上がりの世界経済の限界。私はこれが地価は下がらないと信じた日本と重なります。当時一時的な下げと思われた土地の下落は20年たっても底入れの兆しすら見せません。世界経済がまた右肩上がりの成長に戻るか、私にはわかりませんが、負けない投資家になりたいなら、ナンピンに頼らず長期で資産が増え続ける方法を模索し続けるべきでしょう。

決して孫の代に資産が増えていればご機嫌などと考え、ナンピンで資産を塩漬けにしてはいけないのです。

抜粋ここまで

結果は、ご機嫌にナンピンした方が数年間の上がり相場で全部勝てちゃった相場になりまして、賢しげに忠告した私の方が、慎重に行きすぎて利益を取り損ねたというオチがあります(爆
相場はこういった所が面白いですね(負け惜しみ)