諦める力〜勝てないのは努力が足りないからじゃない 為末 大

こんにちは、ヘッタ・チャンです

ここ最近読んだ本で、株や投資企業にも通じるところがあると思った気づきの多い一冊
諦める力〜勝てないのは努力が足りないからじゃない


備忘録がてら、付箋を貼った部分を徒然に紹介していきます


スポーツ界においては「動機の純粋さ」というものが尊ばれる。日本人はとくに、どんなに不利な条件に置かれても、不断の努力によってそれを克服し、頂点に上り詰めた成功者のストーリーを好む傾向がある

 

世の中には、自分の努力次第で手の届く範囲がある。その一方で、どんなに努力しても及ばない、手の届かない範囲がある。努力することで進める方向というのは、自分の能力に見合った方向


自分の憧れる存在が本当に自分の延長線上にいるかどうかということを、しっかりと見極めるのは非常に大事なことになってくる。自分とはまったく接点のない人に憧れて、自分の短所を埋めているつもりが長所ごと削り取っている人はかなりの数に上ると思う。僕はこれを「憧れの罠」と呼んでいる


極端なことをいえば、勝ちたいから努力をするよりも、さしたる努力をすることなく勝ってしまうフィールドを探すほうが、間違いなく勝率は上がる。 「だって、僕がこの分野に行けば有利なんだよね」  そこから考えることが戦略


一生懸命やったら見返りがある、という考え方は、犠牲の対価が成功、という勘違いを生む。すべての成功者が苦労して犠牲を払っているわけではなく、運がよかったり要領がよかったりして成功した人のほうが実際は多いのではないだろうか


願望を希望と錯覚してズルズル続けている人は、やめ時を見失いがちだ。なぜなら、願望は確率をねじ曲げるからである。  人は、成功の確率が一パーセントしかないのに、願望に基づいたいろいろな理屈をつけることで、一〇パーセントに水増しするということをやってしまいがちだ。そこには「自分だけは違う」という考えが忍び込んでいる。母親が「うちの子にかぎって」と言いきる感覚とよく似ている


日本ではこんな考え方をする人が多すぎる気がする。 「ある分野で優秀な人間は、違う分野に行っても優秀なはずだ。裏を返せば、この分野でだめだったおまえが、違う分野に行ったってどうせだめなんだよ」  人間は、ある分野で能力が開花しなかったとしても、その分野の能力とは関係のない能力を備えていることもある


成功談と失敗談のバランスは、控えめにいってもよくない。  とりわけオリンピックに関するかぎり、それは顕著なかたちで現れている。  メダリストの何十倍、何百倍のアスリートが負けている。その部分に光が当たらないので、一般の人は成功者の言葉がさも実現可能な言葉であるかのように錯覚する


ただ、諦めなかった人のうち金メダルを取った人はいるけれども、諦めなくて金メダルを取れなかった人はその数千倍いるという数字を冷静に見なければならない。その事実を納得したうえで「自分はどのくらいの確率で勝てる勝負をしているのか」ということを冷静に見なければならない。なぜなら、その事実を理解したうえでの努力と、ただがむしゃらに突き進む努力とでは、内容も結果も変わってくるからだ


さまざまな国が見ているなかでの喧嘩は、一対一の戦いに見せておきながら、できるだけ多くの国の共感を集めることが鉄則だ。こうした「したたかなきれいごと」という意味での喧嘩が世界で最も上手なのが、僕はイギリスという国だと思っている


自分たちが勝てないからといってルールに手をつけるのは潔くないとルールづくりの場を遠ざけるような傾向が日本にはある。でも、世界ではそういうことが平気で起きている。勝てないならそのスポーツごとなくしてしまえばいい。勝てそうなルールでスポーツをつくってしまえばいい。そういう発想がまずスポーツを取り巻く環境にあるのだ


積み重ねるほうにだけ必死になっていて、選ぶ努力を怠った結果、空回りしている人も多い。結局、「選ぶ」ことを人まかせにしてしまうと、自分にツケが回ってくる


途中で諦めたら、どの世界に行っても同じことが続くぞ、とお決まりのように言われる。そう言う人には聞いてみたらいい。 「では、あなたは僕がやめずに続けたとして、どのくらいまでいくと思いますか」  その問いに対する答えが具体的で根拠のあるものなら、考え直すのもありだと思う。しかし、ただ「諦めるな」と言っているだけなら聞き流せばいい


仕事も諦めない、家庭も諦めない、自分らしさも諦めない。なぜなら幸せになりたいから。でも、こうしたスタンスがかえって幸せを遠ざける原因に見えてしまう。むしろ、何か一つだけ諦めないことをしっかりと決めて、残りのことはどっちでもいいやと割り切ったほうが、幸福感が実感できるような気がする

 


なお、ここ最近私が相対的に相場に勝てていないのは、完全に私の努力が足りないからですのでそこのところお間違いないように(爆)