勘違いエリートが真のバリュー投資家になるまでの物語

こんにちは、ヘッタチャンです。

ゴールデンウイークに読んでいた本がとてもよかったので、以下の本を備忘録を兼ねて紹介します。



勘違いエリートが真のバリュー投資家になるまでの物語


世の中に投資法はいろいろあり、どれが正解というものはありませんが、著者のガイ・スピアがたどり着いた投資法と人生の生き方は一つの参考としてとても有意義なものだと思いました。


またバリュー投資では、どんなに正しい銘柄を選んでいても一時的に、資産が激減することもありうるということも本書から学べます。
リーマンショック以降大きな下落がない中で、これは胸に刻んでおきたいと内容でした。

また読書家の著者が進める本で、興味深いものが多く、読書の幅が広がるのを感じました。
(アリの生態系から経済を学ぶという視点どんなものでしょうか)


加えて、ついやってしまうことで効率が悪化するものをどう排除するかの視点なども学びとなります。

以下、「勘違いエリートが真のバリュー投資家になるまでの物語」より抜粋


・ファンドの運用を始めて最初の一〇年間で、私はマーケット指数を大きく上回り、設立当初の顧客の資金を四倍に増やしていた。成績が最も悪かったのは一九九九年だったが、それでも損失は六・七%に収まっていた。

 しかし、二〇〇八年はそれまでとはまったく違った。私にとって、ポートフォリオが雪崩のように崩壊していくのは初めての経験だった。
損失が深刻になり始めたのは六月で、ファンドは一一・八%値下がりした。
そして翌月にはさらに三・五%下げた。その後も、状況はますます悪化していった。九月には六・八%下げ、一〇月には二〇・三%も落ち込み、一一月にはさらに一二・五%下げたのだ。
この年の下げは四六・七%に達していた。紙の上では、投資家と家族のお金の約半分が消えてしまったことになる

・私がそのなかから学んだことは、経済を複雑な適応システムとして考えるべきだということだった。経済学者がこの概念を嫌うのは、複雑な適応システムはモデル化できないし、これまで学んできた公式が当てはまらないからだ。

それに私たちは、魅力的で、調和がとれていて、難解なアイデアに引き付けられる傾向がある。例えば、一般均衡理論は、世界がどう動くべきかを見事に説明しており、政治家にとっては役立つ指針になるかもしれない。

しかし、これが私たちの現実の受け止め方をゆがめることにもなっている。  ビル・ミラーやチャーリー・マンガーのような博識な投資家は、標準的な経済モデルがマーケットには不適切だとすぐに気づき、生物学の考え方で構築したモデルのほうがうまく適合することを発見した。サンタフェ研究所の論文に触発され、私はバート・ヘルドブラーとエドワード・O・ウィルソンによる『蟻の自然誌』(朝日新聞社)を読んだ。

この本には、蟻の種類ごとに違う生き残り戦略と、さまざまな種がいかに共進化し、生存競争してきたかが書かれている。私は経済学を大学で何年もかけて学んだが、この一冊はそれ以上のことを教えてくれた。おかしく聞こえるかもしれないが、本当だ。それは、蟻の巣が経済と同様、複雑な適応システムになっているからなのである
・すべてはつながっていた。最初に良い環境を作ろうと思ったのは、リターンを押し上げるためだった。しかし、そのための決断がより良い人生へとつながったのである。

事務所のなかの環境も、言うことを聞かない私の頭が合理的かつ効率的に仕事ができるように注意深く整えていった。

ここでも大事なのは、己を知り、それに合わせていくことだった。前述のとおり、私の欠陥のひとつは、すぐに気が散ることなので、この問題に対処できる物理的な環境を考えなければならない。とはいえ、コンピューターもeメールも使わずに素晴らしい仕事ができるバフェットと違い、私にはコンピューターが必要だった。しかし、インターネットやeメールが大いに私の邪魔をすることも分かっていた。

そこで、集中を切らさない対策として、私は物理的に部屋を分けることにした。  廊下の一方の端には、電話やコンピューター、四つのモニターなどを設置した「忙しい部屋」を置いた。そして、コンピューターとモニターは、高さが調節できる机に置き、立ち上がらないと使えないようにした


 


勘違いエリートが真のバリュー投資家になるまでの物語


抜粋ここまで


この本のメモ欄はかなりあるので、また後日続きをアップします。