報われない世界 → ブラック・スワン


マネー・ヘッタ・チャンのモノガタリ


むかしあってこれからもおこるお話。


あるところに、ヘッテルとフエーテルという兄妹がいました。
幼い頃仲の良かった二人は成人して、別々の街に住むようになり、何年も経ちました。


その間妹のヘッテルは幸せな結婚をしましたが、兄のフエーテルはいつもぶっきらぼうで愛想もなく仕事も結婚も何もかも上手くいかずほとんど乞食状態でした


そんな自分の境遇を受け入れることが出来なかったフエーテルは、世界に復讐してやろうと、綿密に世界を混乱に陥れるプランを考えるようになりました。


そして、そのほとんどが出来上がり、いざ実行しようとしたところで、妹のヘッテルはふと兄が心配になり連絡を取りました、フエーテルを自分の家で一緒に住まないかと連絡するために。


妹の気持ちに少しだけ心が癒されたフエーテルは、世界への復讐を止めました。
でもフエーテルの性格は相変わらずだったので、ヘッテルの家の人たちはとっても苦労したそうです。
おかげで離婚の危機があったり、フエーテルのせいで子供がいじめられて、登校拒否になったりとか、もう大変だったようです


ヘッテルのなにげない連絡が世界を救ったことは、本人自身も含め誰も気づかないままでしたとさ
めでたくなしめでたくなし



こんにちは、周りのテンションがヘッテル時に、自分のテンションを引きずられないようにフエーテルするべく奮闘しているマネー・ヘッタ・チャンです


そういう時マイペースでいられる強さがあれば、仕事でもプライベートでも、かなり良い人生が送れるだろうとたまに考えます


さて、今日紹介する一冊は、昨年ベストセラーとして色んなところで取り上げられたので知っている人も多いと思うこの本、「ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質」です


色々と学ぶことの多い本ですが、序章にあった「報われる・報われない」の話がまずぐっとくるものがありました。


正しい事をすれば報われるということを無邪気に信じている人には、今回モノガタリを基に小一時間ほど討論してみたいものです


紹介したい言葉
12 新手の報われない人たち
 歴史に振り回された人たちのことを考えると、とても残念な気分になる。たとえば、エドガー・アラン・ポーやアルテュールランボーといった、いわゆる呪われた詩人たちがいる。彼らは生きている間は世間からつまはじきにされ、その後あがめられて、学校に通う子どもたちの頭に詰め込まれるようになった。(今どきは、高校を落ちこぼれたああいう人たちからとった名前の学校まである。)


ああ、世間があの詩人たちを認めるのはちょっと遅すぎて、セロトニンが噴き出すようなことにはならなかったし、この世でロマンティックな生涯を送ることもなかった。


 でも、そんな彼らより、もっとひどい目に遭った英雄たちがいる。人知れず大災害を未然に防いで私たちの命を救った哀しい英雄たちだ。彼らは足跡を残さないし、自分たちが大きな貢献をしたことさえ気づかない。有名な事件で命を落とした殉教者のことは人の記憶に残る。


でも、彼らと同じぐらい大きな貢献をしたのに、私たちが気づかない原因で死んだ人のことは、まさしく彼らが成功したからこそ、決して私たちの記憶に残らない。こういう人たちの報われなさを考えると、呪われた詩人たちが生前は評価されていなかったことなんて、まったく色あせてしまう。そもそも報われなさの質がずっと悪い。顧みられない英雄たちは、自分は役立たずだと感じてしまう。
抜粋ここまで
(注:紹介のため、改行や行間を一部訂正しています)(注:紹介のため、改行や行間を一部訂正しています)